2009年 03月 13日
実は2007年の「京都アーティストサミット」の際、坂本龍一を見たさに色々調べていく中で気になっていた名前があった。 「椿昇」。 そのころはいわゆる「メディア・アート」が落ち着き出したころで、もともと「アート」を「メディア」と言う視点から捉えることの多かった(歪んでるねぇ・笑)ホリエもその手法に強く惹かれていった。 それと時を同じくして技術的な発展とともに大きく盛り上がり出したのが「インスタレーション」という手法だった。その根っこの部分の技術的なものへの興味もあり、なおかつ「環境/場所を巻き込んだアートの表現」という手法がホリエ的にど真ん中でこれまた節操なく飛びついた。 それが今の「廃墟好き」や「巨大建造物マニア」というところにもつながっているのかもしれない。 あれだって立派に「空間芸術」だし。 そのころの「メディア・アート」や「インスタレーション」というものは(今でもだけれど今よりもなお)境界が曖昧でともすると評価によってそのどちらにも表現されることが多かった。本来はまったく違うものなんだけれどね。かく言うホリエの中でも入り交じった状態ではあるのだが。 ともかく、その頃にブライトンホテルでの照明を使ったインスタレーションや前述の「京都アーティストサミット」でこの人の名前をよく見かけていたのでずっと覚えていた。 ただ、その時は「そんな風にガッツリのめり込んでるオッちゃんがおる」ぐらいの認識だったのだが、その頃にはもうすでにこの人は今回のプロジェクトを推し進めていたのだ。プロジェクトの全貌を観られたわけではない。が、あの京都近代美術館の1階ロビーの大きな空間をもほとんど全て使って繰り広げられているのは「インスタレーション」でも「メディア・アート」でもなく「表現」そのものなのだ。それも人間の欲望を、自らが考える直接的な方法で提示して見せている。 具体的な作品の解説をしようと思ったのだが、意味がない気がしてやめた。 「メディア・アート」ならともかく、「インスタレーション」を現場以外で他人が表現するなんて無理だから。 コンテンポラリー・アートに興味がない人にとっても、この作品群が投げかけるものはかなり強い。
by radi-spa.horie
| 2009-03-13 22:29
| 映画&舞台他
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