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2017年 08月 02日

クリームシチューのハナシ

c0057602_22503382.jpg前にも話したと思うけれど。

ホリエの母親はステレオタイプな「洋画に出てくるような素敵な奥様」を盲目的に標榜してた人でね。
だからそんな彼女が作るのは勢い洋食が多くて。
ローストビーフだとかシーフードカレーだとか煮込みハンバーグだとかババロワだとか。
要は「ハレの食事」を作りがちだった。
テキスト本的なものをよく買ってきていたのを思い出す(まぁそれがあったからホリエが料理をしだすきっかけにもなったんだけれど)なぁ。
ホリエが4歳の頃に新築した家にシスムキッチンを導入したことも相当うれしかったんだと思う。

父親は滋賀県の県境に近い山里出身の田舎の人だったから多分そういうものがあまり好みじゃなかったようで。
彼が好きなのは鶏皮で麩を炊いたのや唐揚げやひじきと豆の炊いたのやすき焼き。

そりゃね。

味がはっきりしてて濃くてごはんのおかずになるものだから、子供達はその方が好きでね(笑)
それが悔しかったのもあるのか母親は「そういう」おかずは頑として作らず、そんなメニューの時はほとんど父親が作ってた。
もっとも子供達が中高生になる頃には弁当のこともあって母親も「そういう」おかずを作るようになはっていたけれど。

今だから言うけれど、そんな「素敵な奥様」ワナビーな母親が作るものの中でホリエの「唯一」と言っていい好物がクリームシチューだった。
なぜかカレーに関しては「どのメーカーのルウを使うか」ぐらいしか工夫のなかった(まぁ、今のように選択肢が色々ある時代でもなかったしね)母親が、ことクリームシチューやグラタンに関してはちゃんとルウを自作してそれはそれは美味いものを作ってくれた。

弟はどんなリアクションだったかよく覚えてないけれど、母親の作るクリームシチューは今までの人生の中でもホリエが口にしたこの世の洋食メニューの中で一番美味いものだったと思える。
それは自分がそれを作るようになってからもそうだ。

今はもう叶うことのない美化された思い出が有利なことはよくわかっているけれども、どんな洋食の名店でクリームシチューを食しても彼女のそれに敵うものがない。

ただね、そんな「何よりも美味い」クリームシチューをホリエ少年はそのまま食べたいわけじゃなかった。
幼いホリエ少年にとってとろみのついた「汁」にカレーと同じ「具」が入ってる料理はカレーと同じく「ご飯にかけるもの」という印象が強かった(逆に父親はカレーライスをイヤがり、あくまでおかずとして別盛りにしたがったが)。
でもそんなホリエの気持ちを知ってか知らずか、母親は頑なにご飯とは別盛りで、なんならご飯じゃなくロールパンをそのお供に出してきた。
あれも意地だったのかもしれないね。

だからホリエは大人になって自分でクリームシチューを作るようになるまで「自分が食べたい食べ方」をできずにいました。

今、自分が食べたい時に母親の味に近い(それでもやっぱり彼女の作るそれの方が美味かった気がするけれど)クリームシチューを作って食べられるようになった。
もちろんそれをお気に入りのパンで食べたりするのも好きだけれど、最終的にはしっかりご飯にかけて食べます。
ベタに粉チーズをかけて。
世の中の洋食屋さんに「クリームシチューライス」っていうメニューがなぜないのか首をかしげながら。

これ、メニューとして出すんなら「ホリエライス」って名乗っていいよね?



「ポピパッパパー」by 乃木坂46



by radi-spa.horie | 2017-08-02 00:52 | 人間 | Comments(0)


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