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2011年 11月 14日

コンテイジョン

コンテイジョン_c0057602_08273.jpg久しぶりのスティーブン・ソダーバーグ作品だったので楽しみにしていたんですが…。

なんて書き方すると面白くなかったみたいやけど、そんなことないねん。
ただウィルスパニック映画なんやけど、描き方がソダーバーグ流で好き嫌いのはっきりと分かれる作品ではあると思いました。
パンデミックによるパニックを「パニック」として描くんじゃなくて、「こんなことがあればこういう風になるであろう」という「可能性」を淡々と描写して、その間隙を縫って人間ドラマが展開されるという、「リアリティを感じさせるフィクション」が逆に迫ってくるモンがあるというか。
「見ればわかる」部分は全く説明せずに映像だけ、しゃべってる本人の表情が想像しやすい時は話を聞いてる方の人間の表情を。
削れるところは極限まで削って、見せるべきところは執拗に(でもサラッと)描く。

まぁソダーバーグ特有の「手口」ではあるんやけど、毎回それで最後まで持っていかれます。

俳優陣も豪華やし、そのひとりひとりが「ちゃんと」してるから群像劇がボケない。
「この人って何してる人やったっけ?」なんてことがない。
特にグウィネス・パルトローが最後の最後までいろんな意味で「観せて」くれます。
ジュード・ロウ(今回はちょっとウザい・笑)やマット・デイモン(今回は強くない・笑)もいいねんけどね。

音楽も「ソラリス」に続いてクリフ・マルティネス(元レッチリのドラマーね)。
「カフカ〜悪夢の迷宮」や「ソラリス」の時に近いミニマルなリズムや、テクノ寄りのヘヴィーなスコアまで、もう「オーシャンズ以外の」ソダーバーグ作品にはなくてはならない存在です。

それにも増してソダーバーグ作品で素晴らしいのは「フォント」ですなぁ。
「day 2」って出すだけのシンプルな文字列。
それだけに作品のムードを作ってしまいがちやのに、意外と気を使う人が少ない。
その点、この監督はかなりオタクなようで(笑)フォント使いが巧いんです。
シンプルで強いシンボル。
「day 1」と出た時には鳥肌が立ちました。

最後まで観た今、もう一度最初から観たい作品です。
違うドキドキがあると思うし。

あ、テーマもビミョーなのでデートムービーには向きませんよ。

by radi-spa.horie | 2011-11-14 23:07 | 映画&舞台他


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