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2017年 11月 24日

What I want is what I get

What I want is what I get_c0057602_20575419.jpgホリエが作る食べ物は砂糖や醤油や脂が多めでしっかり味で茶色っぽくて地味で飾り気がない割に男子が好むようなガッツリ感がなくてウケない。

ウケない、というか「渋好みの女子」もしくは「女子っぽい嗜好の男子」にしか好まれない。

それは、

自分の調理のベースにあるのが母方の大叔母の作る料理が大好きだったことも大きな原因かもしれない。
生涯未婚で、自分の母親であるホリエにとってはひいばあちゃんの世話を独立して家を出て行った兄妹達に代わって最期まで引き受けた彼女。
そんな大叔母が一年に二度、集落の村祭りの日に腕を振るい、それほど集まってもこない親戚のために(かつては大人数で祭りの日を過ごした名残も手伝って)数多くの料理をものすごい量作ってくれてた。
あれ、親戚達が帰ったあと彼女とひいばあちゃんだけで消化しきれてなかったろうなぁ、と今になってしみじみ思う。

そんな中、ホリエ少年はそんな彼女が作る料理の数々が大好きだった。
多分「奥様は魔女」のような生活ワナビーだったホリエ母は忸怩たる思いもあったとは思うけれど。

やけに黄色い乾燥湯葉を混ぜ込んだちらし寿司、馬ホルモン(彦根の一部は馬肉を食べる文化が昔からある、って言い方で普通わかるよね)を入れた紅白なます、蕗と乾物の炊き合わせ、鯛の子の煮物、鯉の甘露煮、栗きんとん…。
思えば彼女はいわゆる「おせち料理」に近いものを作ってくれていたのかもしれない。
というかおせち料理に入っているものって要はハレの料理なんだなぁ、と彼女の料理を思い出してしみじみ思う。
父親がそんな料理を前にちょっと嬉しそうだったのも幼いながら覚えてる。

年老いた女しかいない世帯で作られるハレの日の料理。

それを下敷きにしたホリエの料理の味付けが男子にウケないのは当然といえば当然な気もする。

だから…、

男子ウケしなくても、手間がかかってる割には地味だと言われても別にいいか、と最近思うようになってきた。





"私、起きる” by 乃木坂46



by radi-spa.horie | 2017-11-24 21:57 | 人間


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